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ジャーナリスト「私」のリアリティ


by kenji_goto

子ども兵を探して④

 シエラレオネにNGO数あれど、実績と信頼性においてCOOPIは外せない。
 カントリー・コーディネーター のLamorte女史の話は、とても的を得ていて有意義だった。
 セント・マイケルズセンターは、NHKのETV2000『断ち切られた家族』やNHK出版『ようこそぼくらの学校へ』に登場する子ども兵士の社会更正施設。「藪の殺し屋」と呼ばれたムリアのいたところだ。母体は、FHM。

【COOPI】
話: Ms. Antonella Lamorte
・女性のための様々なワークショップと、暴力や迫害から女子を守る一時滞在施設”Center for Women”を運営。
・アンプティ・キャンプのリハビリセンターは、現在一般の障害者も対象としている(HANDICAP INTERNATIONALとコラボレート)。
・犯罪(DV、レイプなど)、および路上生活を送る若い女性たちの様々なケア。対象は、少女から25歳くらいまで。
・学校や家を訪問してモニタリング。
・およそ7,000人の子ども兵士たちが武装解除されたが、「まだ戻って来てほしくない」という地域は多い。
・元子ども兵士をサポートするNGOへの批判。
・地域にいても疎外感を感じている女子は多い。とても受動的で、何をされても仕方がないという感覚を持っている。
・体にある刺青やサインを消す少女たち・・・痕が残っている。
・RUFはもとは学生だった(?)。
・2004年は、40ケースのトレーシングが行われた。リベリア側からの問合せを受けたものもある。
・心理療法(社会心理療法)を病院で行なう(HANDICAP INTERNATIONALとコラボレート)。
・問題は、心理療法士のやり方が西洋的で、現地のコンテクスト、アフリカの価値観(1に地域社会、2に個人)に適合できないこと。
・”Single Bush Wife”と呼ばれる10代の少女多い・・・従軍して兵士の妻にさせられて子どもを生み、夫は戦争で死亡もしくは行方不明。
・2005年2月からリベリアでの活動本格化。
・人々は忘れたがっているが、アンプティの人たちは忘れられない。
・アンプティの人と元子ども兵士が同じ施設で暮らしていたケースも以前にはあった。

【ST. MICHEAL’S CENTER】
話: Mr. Berton Giuseppe
・5,6歳で誘拐されて兵士となった子どもは、幼い頃からタバコや麻薬をやっていたため、自分の故郷や家族のことを思い出せない。
・一般的に自分たちが使うストリートチルドレンというカテゴリーとは異なる、「チャイルド・オン・ザ・ストリート」-行き場を失った子どもたち。
・親が離婚。
・心理療法士が足りない。
・元子ども兵士というカテゴリーをはずして、困難な状況にいる子どもたち全般をカバーしている。
・人口の50%近くが子ども(?)・・・子どもに負担が大きい社会。
・”Danger”から”Difficulity”へ。失業、貧困の問題が浮き出てきた。
・シエラレオネ社会そのものがトラウマを抱えている “Society is traumatize itself.”。
・指導者がいない。誰もが行き先を見失っている “No sense of Direction.”。
・フリータウンのスラムには支援の必要な子どもたちが、およそ400人いると見られる。これらの子どもたちは戦争前にはいなかった子どもたち。
・現在、センターには40人の子どもが暮らしている。
・トレーシング(親探し)に決まったやり方はない。
・元兵士だった子らは、自分自身が歓迎されていないと感じることも多い。
・元兵士だった子らは、内面が子どものまま。大人になれない。危険からは逃れたが、何をすればいいのか、わからなくなったり、毎日の暮らし方を見出せない状態に陥る。
・親もとや故郷に帰っても、戻ってくる子どもは多い。
・2002年の4月で、元子ども兵士のトレーシングやリハビリプログラムは終了。
・継続している活動
1、小学校の建設 
2、里親探し 
3、養子縁組(Association Voluntary Service International (AVSI)による)
これまでに400-500人の子どもが国内外の養子になった。


●FAMILY HOMES MOVEMENT (FHM)
話: Mr. Harry A. Kpange (St. Michael’s Center)
Mr. Augustine Kapindi (St. Michael’s Center)
Mr. Paul Kamara (FHM Kissy town, Assistant Programme Manager)

・St. Michael’s Center の母体。
・グループホームの形態をとり、「家族」単位での暮らしを実現している。
・グループホームで暮らす子どものうち、親のいない子どもは40人。
・40人はケンカや諍いの起こらないように、それぞれ個別に離れて暮らしている。
・何か問題が起こったら、子どもは別のホームに引越しさせる。
・スタッフも同じ界隈に住んでいるので、ホームを訪問する形式のモニタリングは毎日行なっている。
・ほとんどの子どもは学校へ行っている。
・資金援助はイタリアのNGO “Association Voluntary Service International (AVSI)”。
・ひと家族(6‐8人)につき、一ヶ月100万レオン給付。
・Freetown 32箇所(Makeni 2、Lungi 2、Lunsal 2、Lakka 14、Bunbuna 15)。
・およそ3,000人の子どもたちは故郷や親もとに帰った。
by kenji_goto | 2005-05-11 02:41 | シエラレオネ